Google の AI 特化型 IDE「Antigravity」には、エージェントを制御するための設定(Rules, Workflows)があります。
リポジトリ内にルールを記述したファイルを配置しておくことで、プロジェクト独自の執筆スタイルや、ツール使用前の手順をエージェントに指定できます。しかし、実際に運用してみると、設定したはずのルールが無視されてしまうケースが確認されました。
本記事では、Antigravity で推奨されている設定方法と、実際に起きた失敗事例について記述します。
ルールの設定場所
Antigravity では、以下のディレクトリにファイルを配置してエージェントの挙動を指定します。
- .agent/rules/: 執筆スタイルや、操作前の確認手順などを記述します。
- .agent/workflows/: 定型的な作業手順を記述します。
詳細は、公式ドキュメントの Rules と Workflows の解説 を参照してください。
ルールが無視された事例
本プロジェクトでは、画像生成などのツールを使う前に必ず人間へ内容を提示し、承認を得る手順を .agent/rules/compliance-gate.md というファイルに定義していました。
しかし、Gemini 3 Flash を使用して記事を書かせるタスクを実行した際、以下のルールが守られませんでした。
- 確認手順のスキップ: エージェントは画像が必要だと判断した際、人間に内容を提示して承認を得る手順を飛ばし、直接画像生成ツールを呼び出しました。
- 禁止表現の混入: ガイドラインで禁止していた表現が、そのまま出力に含まれていました。
ルールが無視される要因
エージェントがルールを無視する主な要因として、作業ステップの多さが挙げられます。指示が長くなったり操作ファイルが増えたりすると、エージェントは「タスクの完遂」を優先し、細かい手順や禁止事項の優先順位を下げてしまう傾向があります。
システムの安定性:設定ファイルの直接編集による応答不全
ルール遵守というエージェントの振る舞いに関する問題とは別に、IDE 本体の動作に関わる致命的な挙動にも直面しました。
具体的には、.agent/rules を含む設定ファイルをエージェントに直接編集(通常のソースコードに対する replace_file_content 等の実行)させた際、チャットの応答出力が不安定化、あるいは停止する現象が発生します。
この状態に陥ると IDE の再起動が必要となるため、ルールファイルを安全に更新するには以下の運用が推奨されます。
- 回避策: エージェントによる直接編集を避け、一度一時ファイル(例:
temp_rule.md)へ内容を出力させた後、ターミナルコマンド(cpなど)を介して目的のパスへ配置する。
Antigravityには、画像生成機能や高い usage 枠などの魅力があり、私も愛用しています。一方で、リリース初期ゆえに動作が不安定な場面も見受けられます。現状の Cursor や Claude Code と比較すると、ルール遵守の精度やシステムの安定性において、まだ改善の余地があるという印象です。